2003日消連第44号
2003年12月24日
文化庁長官官房著作権課 御中
日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子
新宿区早稲田町75日研ビル2F
03ー5155ー4765「文化審議会著作権分科会報告書(案)」に関する意見 2003年7月8日に、知的財産戦略本部が決定した「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」で、「レコード輸入権」について検討する事になり、文化審議会著作権分科会に議論が委ねられた。実際には著作権分科会の下にある法制問題小委員会で9月以降検討が行われてきた。この小委員会には、消費者団体代表の委員は皆無であり、12月5日に全国消費者団体連絡会が開催した、レコード輸入権に関する意見交換会まで消費者団体に文部科学省・文化庁からのこの案件についての説明はなかった。「レコード輸入権 」に関して、レコード業界と相対するもう一方の当事者であり利害関係者でもある消費者をまったく除外したまま進められた、今回の消費者無視の審議のあり方そのものに、日本消費者連盟は抗議する。
報告書(案)に関しては、「書籍・雑誌等の貸与」に係わる暫定措置の廃止と「日本販売禁止レコード」の還流防止措置に、下記の理由で反対の意見を提出する。
記 1.中古ゲームソフト裁判において、日消連は消費者の立場から中古品販売を支持してきた。2002年4月25日の最高裁判決は「著作物又はその複製物について譲渡を行う都度著作権者の許諾を要するということになれば、市場における商品の自由な流通が阻害され、著作物又はその複製物の円滑な流通が妨げられて、かえって著作権者自身の利益を害することになるおそれがあり(中略)著作権者は、著作物又はその複製物を自ら譲渡するに当たって譲渡代金を取得し、叉はその利用を許諾するに当たって使用料を取得することができるのであるから、その代償を確保する機会は保障されているものということができ(中略)二重に利得を認める必要性は存在しない」とはっきりと述べている。この判決の無視は許されない。
2.企業努力と競争原理が、WTO体制をたちあげ邁進している先進国の企業に課せられた途である。レコード業界の現状は、事業者の価格競争、企業努力により打開するものであって、国内価格の引き下げで国内需要を刺激し「日本販売禁止レコード」の還流と競争する積極姿勢こそ求められている。日本の消費者は高額な音楽用CDを買わされているという事実を直視しないで、業界保護的な法措置を優先することに反対する。
3.音楽用CDに再販制による価格維持が認められているのは、日本だけである。消費者は国内盤の高価格に抗して海外からの輸入品を安く購入している。「日本販売禁止レコード」の還流防止措置は、洋盤、ゲームソフト、ビデオ等へ拡大することを懸念する。著作物全般の知的所有権の強化によって、商品の流通の自由、価格競争を制し、消費者に対して不当に高い支出を強いることになる。よって、再販制度とともに今回の還流防止措置に反対する。
4.「書籍・雑誌等の貸与」にかかわる暫定措置の廃止は、レンタルによる書籍業界の被害の実態が、消費者に明らかにならないままこのような貸与権を与えることに反対する。 書籍業界と流通業界の企業努力や流通構造改革、自由な価格設定などにより、低迷する書籍販売高を向上させることが自由市場経済のなかの企業に求められている。
また、これが、「図書館サービスの有料化のための布石」となることを、強く危惧する。