2000年3月8日


食料・農業・農村基本計画に対する意見書

ふ−どアクション21

 食料・農業・農村基本法に基づく基本計画の策定にあたり、食料・農業・農村政策審議会企画部会は2月23日の第9回会合で「食料・農業・農村基本計画要旨(素案)」と「食料自給率について」の考え方を示しました。同審議会は今後、3月末までに基本計画を策定する予定です。
 これに対し、私たち「ふーどアクション21」は、昨年の通常国会における「食料・農業・農村基本法」の審議をふまえ以下のような考えを訴えます。
 なお、WTO次期交渉にあたり以下の考えを盛り込んだ主張をする必要があります。


1.食料自給率については、生産体制、自給率の分母にあたる食べ方の見直し、金額・重量ベースなどの採用など、「実現可能な目標」と称して低率にとどまる議論が提起されているが、「食料・農業・農村基本法」第2条でうたわれた「国内の農業生産の増大を図る」ためには、政府が積極的な食料・農業政策を打ち出し、それに向けて国民的合意をはかることこそが今求められている。主食用・飼料用を含む基礎的な穀類(大豆を含む)は重量ベースで50%を目標とし、とく
に米は100%とする。またカロリーベースで40% (1998年度)に低下した総合的自給率を少なくとも50%以上とすることが必要である。

2.そのためには、生産・流通・消費の仕組みを大胆に改善する必要がある。
@食べ物は本来風土に根ざしたものであり、季節にあった安全なものであることを思い起こし、「安全性」を基本にすえた生産を振興する必要がある。
A有機農業の推進、地場生産地場消費による生産者と消費者の顔のみえる関係作りなどを基本とする。
B耕地面積は500万ヘクタールを最低限確保し、耕地利用の高度化を進め主要穀物の自給率を高める。これには水など資源の保全管理も伴わなければならない。
C麦の品種改良によって国産のパン・麺類の生産を高める。米の減反を中止し餌米の生産を含め水田の有効利用をはかる。国産の非遺伝子組み換え大豆の生産を振興する。
D都市農業は安全で新鮮な農産物を都市住民に供給する点でも、地域環境の保全をはかる面でも、また食品残さのリサイクルを進める上でも、さらには食農教育など多くの点で重要な意義がある。国土利用計画、都市計画、土地税制などを改め都市農業の振興をはかる必要がある。
E加工食品業者へ国産の安全な食材の利用を協力してもらう体制づくりをする。流通業者にも国産振興に協力を依頼する。
F食べ方は強制はできないが、指針を政府が示し国産の農産物を中心とした日本型食生活を見直し、とくに日本産の米による米食を普及させる努力が必要である。これからは日本型食生活に立ち戻るために、学校給食に国産 農産物を使用し、自治体の施設などでも国産の食材を利用するなど、コメや野菜などの摂取を増大しまた食教育につとめることが必要である。こうした食料政策は各省バラバラでなく、生産・流通・消費を一体化した政策が必要である。(戦後の食生活の洋風化という変化はパンと肉食の増加に象徴されるが、これを政府が主導し、食品業界が押し進めた歴史がある。学校給食などもこれに大きな影響を及ぼしたのである。)
G食事の残さの削減と堆肥化を進めることは環境や資源問題、自給率を上げる点からも重要である。
H不測の事態を招かないように、自給を高め備蓄に努める。米の備蓄は少なくとも6か月分とする。
I自然の循環を大切にした農林漁業が環境を守っていくことを認識し農林漁業を一体とした政策を進めることが大切である。

3.農業予算の見直し
 3兆4千億円余りの農業予算において過半の1兆7千億円余りとなる公共事業予算やバイテク政策(グリーンフロンティア計画など)の予算を見直し、国内生産の増大に直接結びつく生産支援措置を増やすべきである。

4.WTO次期交渉にあたり、上記の各項
 を妨げない立場を貫く必要がある。

以上