2004年9月16日

インドネシア
検事総長  様
警察庁長官 様

東京都新宿区早稲田町75 日研ビル2階
日本消費者連盟
代表運営委員 富山 洋子(とみやまようこ)

コカコーラ異物混入事件についての申し入れ

 日本消費者連盟は、1969年設立以来、消費者保護のために内外の消費者団体とも連携して幅広い活動をしている日本の消費者団体です。(別紙)
 先般、新聞報道などで、2003年10月に貴国に仕事で滞在している高須マサハル氏(以下高須氏という)が、貴国においてコカコーラを飲んだ際、ビンの中に、蚊取り線香の燃えカスがビンの中底部に入っていたことから、深刻な健康被害にあわれ、その後も後遺障害に悩まされているということを知りました。
 私どもの得た情報によれば、コカコーラ社は対応が非常に悪く、2カートンのコーラを送ってきて、現地での治療代は持つとだけ言われたものの、謝罪はなく、同社の設備は完璧であり、そんなことはありえないと最初から「金ほしさにいいがかりをつけているのではないか」という態度で応じたため、高須氏は、このままではコカコーラ社の製品により今後も被害が起こりかねないと、コカコーラ社との全面対決を決したとのことです。
 インドネシアでは、コカコーラ社の製品は飲料市場の90%を占めており、高須氏の事件以外にも蚊取り線香が入っていたり、乾電池が入っていたり、プラスチックの破片が入っていたりした危害報告がなされています(現地新聞報道による)。いずれの場合でも被害者は新たな製品との交換程度で済まされているということですが、これら複数の報告をみるとコカコーラ社の製品管理に問題があるのではないかと疑わざるを得ません。
 一方、貴国におかれましても、近年、女性の就業化やファーストフード産業の隆盛にともない、幼児がお誕生会などで、保護者の同伴なくファーストフード店での飲食をし、その際コカコーラなどが日常的に飲用されているということです。
 インドネシアは風光明媚であり日本人観光客も多く、厳罰を以て清潔な町づくりをされていることでも有名です。人命にかかわる大切な食品の安全問題において、インドネシア政府、コカコーラ・インドネシア、消費者団体などが、消費者保護の立場に立った十分な対策がなされていないということは、国際的に見ても大きな問題です。
 すでに、本件は民事訴訟で行政訴訟の対象になっており、高須氏は損害賠償請求や謝罪広告、製品回収、ボトルに「飲む前に注意」との警告表示を貼り付けることなどを要求しているとのことです。それ以上に、04年9月9日のジャカルタポストによれば、刑事事件としての捜査を打ち切るとの報道がでたと聞き大変驚いています。私どもは事件の真相が正当な裁判手続きにおいて明らかになることとともに、貴国における消費者保護政策がこの事件をきっかけに格段に進まれることを強く期待しております。
 私どもは、業法や民法では救済できない消費者の権利を守るために、ねばり強く、製造物責任法、消費者契約法、金融販売法、特定商取引法などの制定運動をしてまいりました。 日本の消費者団体としても、貴国政府等の今後の対応に深い関心を寄せると共に、内外を問わず、消費者保護のために民事のみなず、刑事事件としても裁判の課程をオープンにされること、関係法令の整備等、消費者保護政策が推進されることを強く要望いたします。