2003日消連第30号
2003年9月19日全国水産物卸組合連合会御中
日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子
東京都新宿区早稲田町75 日研ビル2F
TEL 03(5155)4765
FAX 03(5155)4767ホルマリン使用トラフグの取り扱い統一見解に対する抗議と要請 私たち、日本消費者連盟は、ホルマリン使用養殖魚の出荷停止解除に対して、8月1日金子原二郎長崎県知事及び長崎県トラフグ養殖適正化対策協議会に抗議文を送っています。
今回、貴全国水産物卸組合連合会が、17日「食品としての安全性が確認された」としてホルマリン使用養殖フグを取り扱うとの統一見解を出されたことに対しても私たちは強く抗議するものであります。今回、消費者が問うているのは、単なる「安全性」の問題ではありません。
1981年、水産庁が、使用禁止通達を初めて出して以来、フグ養殖におけるホルマリン使用が発覚する度に不使用の通達を出したにもかかわらず、その度、フグ養殖業者は県等の指導を受けつつ「使用していない」としらを切り通しました。この食べもの生産者にあるまじき道義に反したフグ養殖業者の反消費者的行為に対して、私たちは怒っているのであります。ご承知の通り水産用医薬品の使用は、薬事法で定められています。ホルマリンは毒物および劇物取締法で「劇物」に指定され、トラフグ養殖での使用許可がありません。
1981年水産庁は「水産用医薬品以外の物の薬剤としての使用について」の通達で、「食品への移行残留や排水による環境への影響などが十分解明されていない物」として、特にホルマリンの問題を提起したのであります。(この問題は、現在まで解明されていません。水産庁の怠慢も、私たちはこの間追及してきました)その後、91年に指導徹底の通達がありました。96年には熊本県でトラフグ養殖業者のホルマリン使用とアコヤガイの大量死の問題が起こり、この時(社)全国かん水養魚協会はホルマリンの全面使用禁止を決めています。更に97年に四国で、2000年に熊本県で、それぞれホルマリン使用や販売が問題となり、その毎にホルマリン不使用の指導徹底が通達されました。そして、この度の薬事法改正によって、今年7月30日から、未承認医薬品ホルマリンの使用は薬事法違反で罰則規定の対象となったのであります。
長崎県のホルマリン使用業者は95業者、全養殖業者の半数以上といいますが、発覚まで業界は「使用していない」としらを切っていました。使用されたホルマリンの量は、2002年度で520トンにのぼることがわかっています。私たちは、これだけの量のホルマリンが海の生態に与える影響からも、養殖魚のホルマリン使用に反対であります。
4月に出荷停止となったホルマリン使用トラフグについては、亀井善之農林水産大臣が6月27日、「廃棄が望ましい」と強調、坂口力厚生労働大臣も「農水省の主張に従う」と発言しました。これらの動きは養殖魚を食べる消費者の立場を一顧だにしない「もうけ」のみを追求する養殖業者に対して、社会の批判の目が厳しかったからであります。
現在も、私たち消費者の長崎県166万匹のホルマリン使用トラフグに対する厳しさに変わりはありません。
トラフグは廃棄すべきである、と考えています。ホルマリン使用トラフグ養殖業者は、消費者を欺まんしてきた社会的道義背任の責任を、きっぱりと果たすべきです。これら長崎県の166万匹以外にも、熊本県ホルマリン使用のトラフグ出荷の動きがあるとの報道があります。その他の県にも使用を疑わざるを得ない状況があります。
このような疑惑の広がりは、今後の水産物業者と消費者の信頼関係を切り崩していくものであり、今、求められている「食の安全・安心」に逆行するものであり、その原因を作った行為は許しがたいものであります。
水産物卸組合の皆様方は、長い将来にわたる日本の水産物産業、流通、消費の要となる立場にある方々であり、いまここで妥協することにより、ホルマリン使用トラフグを取り扱うことによって得る利益よりも、失う消費者の信頼という、お金に換算できない貴重な価値あるものを捨て去られないよう切望する故に、貴会の今回の見解に強く抗議し、取り扱いを一切行わないよう強く要請するものであります。