2003日消連第7号
2003年5月20日


農林水産大臣
亀井 善之殿

東京都新宿区早稲田町75
日 本 消 費 者 連 盟
代表運営委員 富山洋子

「牛肉在庫緊急保管対策事業」における
保管対象牛肉の検査結果措置に対する抗議文

 5月16日、農林水産省生産局畜産部は標記の検査結果を発表しました。
 それによりますと、この対策事業に申請された牛肉は、合計12,626トン、「適」判定は11,265トン、補助対象除外は140トンとされています。
 報道によれば、農林水産省の判断は、判定委員会にかけた結果、明らかに偽装工作したとみられる不的確事由の明らかな違反業者名の公表や刑事告訴は行わないとのことです。
 雪印食品、日本ハム、日本食品等の違反が内部告発によって発覚した後、この対策事業関連の違反業者が続出した昨年、当時の農林水産大臣は国会で、違反業者名を発表すると国会で発言しました。しかし、農林水産省の制度そのものや、実施過程のずさんさが悪用を生んだことは否定できず、農水省はこれらの違反業者名をついに公表できなかったのです。農林水産省は「公表すべきか」について、「第三者検討会」を設けて、責任を転嫁させましたが、この検討会の結果は、昨年9月に業者名公表のための「判定委員会」を発足させるというやり方で逃れていました。この第三者委員会は消費者代表は入っていません。
 5月16日の保管対象牛肉・検査結果について業者名を公表しないという農林水産省は、一見、一定の手続きを経ているようにみえますが、農林水産副大臣をはじめ、農林水産省の選任した委員のみの判定であって、消費者の意見は全く無視されたものです。
 消費者は、どの業者が、どのような違反行為をして、この「国産牛肉買い上げ事業」を悪用したのか知る権利があります。私たちの税金による国の制度を悪用した業者をなぜ農林水産省は保護するのか、そこには消費者、主権者側への配慮を全く欠いた、これまで通りの業者保護優先しかありません。
 公表しない理由の一つに、自ら申請を取り下げたからということがありますが、雪印食品などの事件が発覚したが故に取り下げたのであって、いわば、雪印食品などの犠牲の上に自ら救われようとしたものです。品質保持期限切れ、偽装、肉の入れ替え、混入等の違反業者は、事業参加365社中、約3分の1の121社もあがっています。
これだけの違反業者を出した食品業界全体の反省を促すためにも、農林水産省は、全業者名、違反事由、量を発表すべきです。きびしい反省の後に企業のコンプライアンス、自主行動基準もあるはずです。
 日本消費者連盟は、「牛肉在庫緊急保管対策事業」における保管対象牛肉の検査結果であきらかとなった違反業者名が公表されないことに強く抗議します。

以上