2002日消連第43号
2003年1月17日

内閣府 食品安全委員会設立準備室
パブリックコメント担当者御中

日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子
TEL:03-3711-7766
FAX:03-3715-9378

 食品安全基本法(仮称)骨子案についての意見を以下のように申し述べます。私共の意見を今後の検討に是非反映して下さいますようよろしくお取り計らい下さい。

目的:ここでは消費者の権利(健康権及び措置請求権)が明確に規定されるべきであるが、消費者は役割を担わされているに過ぎない

基本理念:@について国民は保護の主体者でなく権利の主体者たるべきである
Bについて・食品の安全性確保に関する国際的動向は、WTO体制の下で、規制緩和へ向かっているので、国際的基準を錦の御旗にすれば、安全性への措置は緩やかになる恐れがある
・WTO・SPS協定で規定されているように、自由貿易の拡大を大前提としている「科学的知見」には信頼をおき難い。
・更に、この項目には、食品の安全性は、予防原則に基づいて評価されるべきことを加える必要がある

義務及び役割
(四)について 冒頭で触れたように、ここでは消費者の役割ではなく、消費者の権利とすべき
消費者は、食の安全性を求める権利があり、食についての最終的決定権は、消費者が持つべきである。その権利を法的に担保されたい。

施策の策定に係る基本方針
@−イ−Aについて:「人の健康に悪影響が及ぶことを防止し、または抑制するため」という文言は、すでに被害が明らかになっていることを指すと判断されるが、この項目には、予防原則の視点を盛り込むべき
Bについて:国際基準を決めるコーデックスに対応すべき機能を持つ機関を加えるべきである
ハについて :ここでは「リスクコミュニケーション」について規定されていると判断されるが、リスクコミュニケーションは、情報が「提供」されたり「施策について意見を述べる機会の付与」、「意見交換」をするためのみに位置づけるのではなく、私たちの意見が反映される場として位置づけられるべきである。そのような双方向を有するリスクコミュニケーションを制度として担保すべき。

食品安全委員会
(一)内閣府におかれ、独立性を欠いていることが問題
食品安全委員会の担当大臣には、国家公安委員長と兼任の谷垣禎一衆議院議員が任命されていることからも「食」の安全を私たちのいのちや健康の問題として捉えるのではなく、治安対策として位置づけていると判断される
(二)食品安全委員会は、評価と勧告をしたり、意見を述べたりする機関にとどまっており、規制できる権限をもたないという問題がある。食品安全委員会には、規制にかかる権限を付与すべきである
(三)食品安全委員会が資料提出の要求等をした場合、その資料等を確実に手にできるという担保がない
(四)@委員会委員はいわゆる専門家のみで、消費者代表は入っていない。委員会の構成は7名の倍くらいに増やし、消費者代表を複数入れるべきである
D専門委員会は常設とするのが望ましい
E事務局がリスクコミュニケーションを担当すると考えられるが、そうだとすれば、技術者(25人)を含めて80名という配置(すでに提示されている数)は極めて少ないと考える

以上

以上に付け加えてリスク分析について意見を申し述べます
この度打ち出される食品安全行政は、「リスク分析」の導入が目玉になっているが、その導入によって「食」の安全性が全て担保されるわけではない
それは、手法のひとつに過ぎないと考えるべきである
リスクとは、数値に根拠をおいた確立論であり、リスク分析の導入が、一人ひとりのいのちや健康を担保するものではないことを銘記したい。
 従って、リスクコミュニケーションの中で、私たちの決定権が保障されることが求められるが、食品安全基本法(仮称)におけるリスクコミュニケーションは、単に情報伝達、意見交換の場としてのみ機能するのではないか。
 また、リスク管理は、農水省、厚労省各々で担うという図式が示されているので、それでは今までの縦割り行政の弊害は打破できないと考える。
 また、リスク評価の根拠となるものが国際規準であるということも、甘い評価をもたらすという危惧がある