2002年12月30日
総務大臣
片山 虎之助 様日本消費者連盟
事務局 古賀 真子接続料に関する審議会の答申に反する2002年11月28日の国会決議と大臣の発言に対する公開質問状、ならびに、事業部会委員・接続委員会主査の醍醐氏の再任を求める申し入れ 冠省 衆参両院の総務委員会で、情報通信審議会が出した「NTT 東西地域会社の通信回線接続料を東西別料金とすることが妥当」との答申に対して、2002年11月28日、東西同一接続料金の維持や、長期増分費用(LRIC)方式による算定の早期廃止を盛り込んだ決議が全会一致で採択されました。大臣も「各界から『考え直せ』との意見がでている。答申は答申として承ったうえで、われわれが責任を持って決める」との答弁をされたとの報道がありました。
今回審議会で、接続料の見直しについては、消費者団体にも2度にわたる意見陳述の機会が与えられるなど、一貫して消費者不在であった情報通信分野においても、情報公開の機運が出てきたこととが高く評価されています。また、消費者団体として、実際に出席し意見陳述した接続委員会や、傍聴した情報通信審議会においては、特に座長である醍醐聡氏の公正な議事進行の下、消費者団体の意見も答申に反映されるなど、他省の「アリバイ的な」審議会とは異なり、利害対立を超えて国民のためのIT社会の実現を目指すという総務省の意気込みも大いに感じられるものでした。
それだけに、今回の大臣の諮問機関である審議会の答申に全く反する決議についてはいうに及ばず、決議について「容認」とみられる大臣の発言には、審議会に参加した消費者として、大臣が審議会をどう捉えているのか、また、どのように政治責任を果たされるおつもりなのかを広く国民にご説明いただきたいと思います。
特に今回の決議は、自民党の世耕弘成参議院議員、佐田玄一郎衆議院議員などNTT出身議員や族議員の尽力したところとされていますが、これらの報道が真実であるとすれば、情報通信行政の透明性、公正さを欠くものであり、第三者機関としての審議会の存在意義を為にするものとして看過できません。
さて、12月26日、同27日付の各新聞紙上、「総務省は、2003年1月5日付けで情報通信審議会(総務大臣の諮問機関)の委員である、醍醐聡氏の再任を認めないとされた」との報道がありました。醍醐氏は競争政策推進で1996年以来3期3ヶ月の間、情報通信審議会の委員として、市場支配的事業者であるNTT東西の競争による料金引き下げを進めてきたとされています。学識経験者の委員は通常4期8年務めるケースがほとんどであり、今回の不再任は事実上、族議員や担当省と意見の異なる委員を排除するための解任であり、過去の事例との整合性、あるいは欠席続きの委員を再任するなど他の委員の処遇との整合性にも反し、公正で中立であるべき審議会の人事の裁量権を逸脱するものとして大いに疑問があるとされています。
そもそも、審議会の委員は、公正中立な第3者機関としての審議会の構成委員として、担当省や政治的圧力を排し、国民の代表として広く意見を議論し、集約する役割があるはずですが、11月28日の国会決議と大臣の発言、今回の醍醐氏解任という一連の事実は、市場支配的事業者であるNTT東西の利権とそれに与する族議員の利益を図るもので、国民全体の利益とは相反することが明らかです。のみならず、重要課題である接続料見直し問題をはじめ今後の国家としてIT政策をどうするかという競争政策の重要な時期に、透明性、独立性、公正性を貫くことが何よりも大切な審議会の形骸化を進め、審議会と担当省である総務省への国民の信頼を失わせることは必至です。
醍醐氏については、役職の継続性のみならず、消費者として見た場合、IT分野における特殊性、専門性からも再任するのが当然と考えられますが、事業部会委員、接続委員会主査の任務を解任されるというのであれば、その合理的理由を明らかにしていただきたいと考えます。
総務省以外の審議会においても、「担当省にとって都合の良い委員しか選ばれない、都合の悪い発言をする委員は短期で外される」ということは以前より取りざたされています。しかし、今回の醍醐氏のような露骨な例については、大臣は担当省の最高責任者として、諮問機関の任命権者として説明される責任があると考えます。一方では、情報通信に子会社としてすでに参入し、本体での参入も検討中といわれる関西電力会社の会長を審議会会長として再任するとされています。
これらの人事は中立性に照らしても大いに問題があると考えます。審議会制度を価値あるものにするためにも、関係企業の役員が審議会の会長を務めたり、族議員や官庁に都合のよい発言しかさせない委員で構成する審議会では、国民全体の利益とは相反することは明らかです。以下の点につき要望、質問申し上げます。年末年始、ご多忙とは存じますが、来る2003年1月15日までに、ご回答いただきますようお願い申し上げます。記 一.政官の癒着を排し、国民の信頼を回復するために、醍醐氏の再任を求めます。
二.接続料に関する審議会の答申に反する2002年11月28日の国会決議と大臣のご発言の「政治的責任」の意味についてご説明お願い申し上げます。以上
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