2002日消連第39号
2002年9月19日司法制度改革推進本部事務局御中
東京都目黒区目黒本町1-10-16
日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子
「仲裁法制に関する中間とりまとめ」に関する意見 標記「中間取りまとめ」の事項のうち、消費者保護に関する特則についての部分に意見を提出いたします。
「契約」そのものに慣れていないわが国の消費者は、急激に多様化する消費者取引や新しいサービス商品取引において、契約の締結過程で、様々な不利な条件を理解しない状況下に置かれることが多く、結果として被害を受けることにつながっています。
仲裁法制が国際商事の仲裁から、国内の消費者と事業者間における契約に適用されるにあたっては、仲裁契約に気付かずに消費者が契約を結び、紛争が発生した場合一方的に事業者が契約書に定めた仲裁機関で紛争解決をしなければならない事態が必ず発生することを考慮すべきであります。
このような事態は、憲法上の裁判を受ける権利に関わる問題であり、裁判、あるいは裁判によらない他の紛争解決機関による紛争解決への道を断ってしまうことになると考えます。
司法制度改革推進本部におかれた検討会の中には、裁判によらない紛争解決手段の議論も進行しているなか、一方で仲裁法制が、このような消費者の紛争解決手段を選べる権利を封殺してしまうような法制にならないよう、十分な検討がなされるべきです。
また、これらの検討においては、現にある消費者被害の実情や、相談・あっせん・調停諸機関の実態を反映すべきであると考えます。
国際商事仲裁の法整備の検討から、国内取引についても適用に議論が及んだ段階で、国内取引の仲裁契約については、別途、消費者問題の専門家や消費者団体等も参加した検討の場が設けられることを求められます。
今回求められたパブリックコメントの設問については、以下の意見です。1.消費者と事業者との間の仲裁契約の効力について
[意見]B−1案を選択する
[理由]上記前文に述べた通り、現状においては消費者は将来の紛争を予想した仲裁契約を理解して締結することはほぼ不可能であり、指定された仲裁機関以外の紛争解決手段を選ぶ権利を失うことになる。
また、契約に際して、仲裁合意の条項の意味を理解したとしても、包括的な契約条項のうち、この条項の削除を求めて交渉することは、消費者と事業者間の情報や交渉力の格差の存在から不可能といえる。
よって、将来の争いに関する仲裁契約は全て無効であるとするB−1案を選択する。2.消費者と事業者との間の仲裁契約の方式について
[意見](A案)(B案)(C案)をすべて採用すべきである。(E案)には反対である。
[理由]消費者が、仲裁契約について理解し、納得し、主体的に選択できる権利を保障し、書面交付によって事業者に義務づけることを欠くことができないと考えるからである。以上