2002日消連第34号
2002年9月4日

申告書

公正取引委員会
委員長 竹島 一彦 殿

東京都目黒区目黒本町1−10−16
日本消費者連盟
代表運営委員 富山 洋子

アスカ・コーポレーションの化粧品、合成洗剤について誇大表示についての申出

 下記の事実は、独占禁止法第19条、ならびに不当景品類および不当表示防止法第4条に違反している行為であると思料いたしますので、厳重に取り締まられたく、独占禁止法第45条に基づき申告します。

被申告者 (所在地)〒812−0018
福岡県博多区住吉1−2−25
キャナルシティビジネスセンタービル
(名称)株式会社 アスカコーポレーション
(代表者)南部昭行
(電話)092(263)1777

申出に係る取引の態様 通信販売取引

申出の趣旨
申出に係る事業者(株式会社 アスカコーポレーション、以下アスカ)は、化粧品、合成洗剤、栄養補助食品、ダイエット商品、下着、ペットフード等を通信販売する会社である。
 アスカは、1999年9月に設立以来、広告、カタログ、販売促進ビデオ、定期刊行誌「イズム」、社長の著書等で、一般の石油系化粧品等の危険性を指摘し、自社の製品は「天然成分100%」「天然原液100%」であるので安全であると、徹底的した安全性をうたい文句に、昨年度決算によれば80億円と売り上げを伸ばしている。
化学物質を原因とするアレルギーや、環境ホルモンなど化学合成物質の危険性がいわれる中で、無添加、自然派、天然派の化粧品に対する消費者の要望は高まっている。ところが、これらの定義については各社であいまいな上に、無添加といいながら、旧指定成分(化粧品に使われているアレルギーや皮膚炎ほかを起こすおそれのある成分薬100種類あった)を含んでいたり、旧指定成分以外の防腐剤を使用していたり、香料、着色料などに石油由来の成分を含んでいるものがあり、現実には表示や宣伝文句が信用できないものが多い。
 アスカは、日本消費者連盟などが、従来主張してきた化粧品の有害性を喧伝する一方で、こうした、自然派、天然派の問題点も指摘し、自社の製品は、完全に「天然100%」「原液100%」とであると、徹底的な差別化を図り大々的に広告して販売を行ってきた。化粧品に限らず、合成洗剤、栄養補助食品、ダイエット商品、下着、ペットフード等においても「天然100%」をうたい文句にしているが、虚偽、誇大広告に該当する疑いが強い。
一、天然派、自然派表記の問題点
 アスカに限らず、自然派や天然派を謳った化粧品の中には、化粧品の成分が全て義務表示となった後も医薬部外品として売られているため表示を免れているものが多い。紫外線防止効果としてのアロエなど「有効成分」と謳われている物がほとんど入っておらず、一般化粧品と変わらない物、天然エキス配合の名の下に、「天然成分」を抽出する際の溶媒として化学合成物質を使っているもの、合成の保湿剤や合成の着色料などを添加しているものも多い。また、天然保湿剤として、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コラーゲンなどの配合を売り物にしている保湿剤系の化粧品からは多価アルコールが検出され、天然保湿剤に比べても含量は圧倒的に多いとされている。
 ところが、対面販売と異なり、アスカの場合は通信販売という、いわば広告だけで商品の販売をしているが、主な宣伝媒体である、アスカの天然生活情報誌「イズム」には誇大広告と思われる箇所、明らかに虚偽と思われる箇所がある。
二、天然原液100%表示について
 アスカの天然生活情報誌「イズム」の2000年9,10月号では、「本来、肌の中にある成分を補うことが、天然原液100%アスカスキンケア・・・」として天然原液シリーズとして、ピュアプラセンタ、コラーゲン、エラスティン、ヒアルロン、大豆イソフラボン原液100%のビューティーコンクなどいずれも、「100%天然原液」を売り物にしている。(資料1)
 また、2001年11,12月号の、アスカの誇る原液シリーズの説明には、「アスカは天然原液100%、合成化学物質0%。無添加、自然派を遙かに超えた、合成化学物質0%」とし「天然原液100%とは、これ以上濃いものはない!原液100%が従来のスキンケアに与えた衝撃!原液の一滴は通常商品のなんと333滴に相当」としている。
ところが、最新の原液シリーズの説明では、ASピュアコラーゲンは、【溶媒】精製水、BG(植物デンプン)【成分】水溶性コラーゲン(豚)と表示されている。(資料2)また、アスカ発行の「スキンケア全成分表示一覧」によれば、この商品の成分は精製水、BG、クエン酸、クエン酸Na、水溶性コラーゲンとされている。BG(ブチレングリコール)は保湿剤として使われる多価アルコール、クエン酸は酸化防止剤pH調整剤、クエン酸Naは金属イオン封鎖作用、酸化防止剤として使用されていると思われる。これをもって、天然原液100%、合成化学物質0%を謳い文句にすることは虚偽表示、誇大広告に当たると考えられる。
 アスカの天然生活情報誌「イズム」2002年7,8月号では、冒頭極めて小さな文字で、天然成分100%、天然原液100%、天然素材100%の説明がされている。それによれば、天然原液100%とは、「化粧品や医薬部外品に用いられる原材料を一切薄めずに使用しています。原材料の状態の濃度がそのままという意味です。また原材料の抽出の際に使用した溶媒が微量含まれる場合もあります」と免責的とも思える説明している。(資料3)しかし、アスカは広告、カタログ、販売促進ビデオ、定期刊行誌「イズム」、社長の著書等で天然原液100%を最大のセールスポイントとしており、原液イズムという思想自体をアスカの根本的企業ポリシーとして多面的方法で消費者に洗脳している。(資料4)アスカ自身による原液100%は、勝手な解釈と言わざるを得ず、消費者には成分としての水溶性コラーゲンが100%含まれている商品だと易々と信じ込まされる表現であり看過しがたい。これは、他のピュアプラセンタ、コラーゲン、エラスティン、ヒアルロン、大豆イソフラボン原液100%のビューティーコンクについても同様である。(資料1,2)
三、天然成分100%について〜合成洗剤を天然で安全と宣伝
アスカは自社製品の天然成分100%を安全性のうたい文句に、石油製品を含む他社製品を危険であると攻撃している。合成界面活性剤の害は事実であるが、アスカのヘアケアシャンプー、薬用ヘヤケアシャンプーは、天然100%をうたい文句にして安全性を強調しているが、実際は合成洗剤である。アスカのヘアケアシャンプーの表示は成分・ホホバオイル、アロエエキス、アミノ酸系洗浄成分、薬用ヘヤケアシャンプーはヒアルロン酸、ホホバオイル、ヨクイニンエキス他とされている。問題の洗浄成分については明確に表示されていない。アスカのヘアケア成分一覧表によれば、アルキル・エーテル・硫酸エステルNa(陰イオン系界面活性剤、アルコール系)、ポリオキシエチレン・脂肪酸エステル(非イオン系界面活性剤(脂肪酸系)などが使用されているようである。天然油脂系か石油系かは、界面活性剤のアルキル基がいずれの原料で誘導されたかであるが、アルコール系の場合は陰イオン系を非イオン系も天然油脂からも石油からも製造することができる。しかし、陰イオン系の硫酸基があることは動物にも植物にも生態系にも安全とはいえない。また、非イオン系でも、天然油脂系は天然油脂から誘導した非イオン系のものを少しだけ使用しており、商品安定のために、皮膚反応を起こすエチレンオキサイドを付加している。非イオン系の脂肪酸系は洗浄力が弱いので、主たる洗浄成分ではないと思われる。(資料5)
 アスカの製品には石油系が配合されている疑いもあり、仮に天然成分だけで作られているとしても、天然であるから安全とは言えない。イズムでは長年石けんシャンプーで洗髪した毛髪と合成洗剤シャンプーで洗髪した毛髪を比較しているが(資料6)、アスカのものは石けんシャンプーでないことは明らかであり、安全性を随所で広告していることは誇大広告に当たる。
四、効能についての違反について
 1980年厚生省薬務局長通知の『医薬品等適正広告基準』『化粧品の効能についての薬発第1341号通知によって禁止された化粧品の効能表現に違反した宣伝を行ってはならないとされている。
 しかし、アスカは、科学的に疑問のある表現や、効能についての誇大な広告を行っている。
 2000年9、10月のイズムによれば、「短期集中シワ対策講座」として、「美肌作りには大豆イソフラボン原液100%のピュアビューティーコンクDXが肌に浸透することで、スイッチが入り、先のピュアコラーゲンやプラセンタなどの原液成分の働きがアップ、目尻のシワ対策にアイリンクジェル100を顔に伸ばす。ハリの出た肌を引き締めるためにつけてから、FNWゲル100を塗り込み、最後にピュアビューティーコンクDXを顔全体に・・・」としている。
 ところが、2001年11,12月のイズムでは、界面活性作用を持ったものを配合しなければ、栄養素を肌から吸収することはできないのに、アスカのピュアローヤルゼリー100は、天然原液100%ながら、天然の栄養素を肌から吸収するとしている。(資料2、5頁)また、2000年9、10月では完璧と思えたシワ対策を否定するかのように、のむ大豆イソフラボン、のむ天然コラーゲン、のむ天然エラスチン、のむ天然プラセンタなどを宣伝している。これらは、化粧をしなければ肌が守れないという特に女性一般の持っている誤解、化学に弱い消費者に対する、効能について誇大表現に他ならない。
五、その他
1、価格の不透明性について
 アスカは、商品について、新商品価格、100万人突破大特価キャンペーン価格、セット価格など設定しており、定価に×をしてそれらの割引価格を表示している。定価の販売実績などが不明であり、特別割引として消費者を誘引しているとも受け取られる。(資料7)
2、行政調査、指導に対する態度について
 イズム2002年7,8月号によれば、アスカは「貴委員会のみならず、厚生労働省、東京都などから調査を受けたが、問題なしとして逆にお墨付きをもらった」と宣伝している。(資料8)
アスカ化粧品については、消費者からの問い合わせもある。以上は一部についてであるが、消費者が誤認を増大することが無いよう、貴委員会の厳重なる調査を要望する。

日本消費者連盟
電話 03(3711)7766
FAX  03(3715)9378
(担当)古賀