2002年7月4日
金融庁
金融庁総務企画局信用課 殿
日本消費者連盟
代表運営委員 富山 洋子「保険業法施行規則及び銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令等」(案)に対する意見 2002年4月23日に、変額保険裁判で、東京高等裁判所は、東京三菱銀行、大同生命に対して、一審を変更して両者に損害賠償責任を認めた。銀行が敗訴したのは東京では初めてであり、被害者保護の観点に立った画期的かつ妥当な判決であった。
被害者の根強い運動により、融資一体型の変額保険の欠陥性が明らかにされ、金融被害として社会的認知を受けることとなった。と同時に、金融機関とりわけ銀行の貸して責任を厳しく問う時勢となったといえる。
さて、銀行等における保険商品の窓口販売は、1997年の保険審議会報告、2000年の保険業法改正を受けて、2001年4月から実施されている。
今回の改正は、その後の銀行等における保険商品の窓口販売の実施状況、規制改革推進3か年計画等を踏まえ検討を行った結果、弊害防止措置の充実を図りつつ、窓口販売の対象商品を拡大することとし、保険業法施行規則の改正につき、所要の措置を講じるとのことであるが、消費者保護の立場から、以下の点について意見を述べる。1、銀行等が保険募集もしくは、保険仲立人として保険募集できる保険商品のうち、特に元本保証されない変額個人年金保険を加えることについて反対する。
(理由)
@銀行においては、取り扱い手数料収入とともに、ペイオフ後の資金流出を防ぐ意図などから、特に高齢者に 向けての一時払い変額年金などを勧める例が増えると思われるが、今回の規制緩和に伴う弊害防止措置は、弊害を防止するのに十分なものとは言い難い。
A年金のように将来的生活を保障するものについては、元本保証されず、また保険商品販売にキャリアのない銀行員によって、窓口販売で安易に勧められることは好ましくない。
B大手銀行の統廃合、金融商品の多様化と販売チャネルの拡大がされつ一方で、それらの商品の内容は、消費者にはますますわかりにくくなっている。利殖商品なのか、保証商品なのか、銀行での販売では消費者に誤解を与えやすい。
C至上最低の超低金利に追い打ちをかけるように、2002年からはペイオフ制度も導入され、来年は普通預金にまで拡大されようとしている。銀行での販売はこれらの生活資金を年金という名前で容易にシフトさせる一方、変額であることによるリスクが十分消費者に説明されにくい。
2、弊害防止措置について
規制緩和と併せて充実を図る弊害防止措置について(保険業法施行規則第234条関連) 以下の項目について意見を述べる。
@ 銀行等が保険商品を販売する際に、保険商品を購入しないことが他の取引に影響を及ぼさないことについて、顧客に対し書面により説明することを義務付ける。
(意見)実効性ある規定とは考えにくい。
(理由)書面による説明は銀行側の説明責任を果たしたという免責事由になっても、現実には、消費者保護の役に立たない。「保険商品を購入しないことが他の取引に影響を及ぼさないこと」は企業の倫理として当然のことでであり、保険商品の販売が、保険商品購入の圧力になるような販売はあってはならない。保険商品はあくまでも、「ベストアドバイズ」として勧められるべきであり、販売圧力のかかりやすい銀行で販売する場合は、保険業法での弊害防止以上の義務と責任を課さない限り認めるべきではない。A 銀行等が変額個人年金保険を販売する際に、融資を受けて保険料に充てた場合、当該商品が元本割れすると債務の返済が困難になる可能性があることについて、保険契約者に対し書面により説明することを義務付ける。
(意見)1、で述べたとおり、変額個人年金保険そのものの販売を認めるべきではない。「融資を受けた販売」を認めることは、変額保険での消費者被害の多発した変額保険での銀行の責任について反省なきものと言わざるを得ない。B銀行等が住宅ローン関連の信用生命保険を販売する際に、住宅ローンの返済に困ったときの相談窓口(当該銀行等の内部及び外部の相談窓口)について、保険契約者に対し書面により説明することを義務付ける。 (意見)相談窓口の設置は望ましいが、公庫の廃止の方向の中で、貸し渋りがないか、過剰な融資がないかなど、そもそも適正な融資が行われるかどうかの監視機関の設置も同時に検討する必要がある。
3、その他弊害防止措置に対する意見
1、銀行での販売の拡大に伴う、内部検査の徹底させる。また、監督官庁は、適切な募集等についてのマニュアル作成についての指導を行う。ノルマ販売などはもってのほかである。
2、銀行等による保険商品販売で生じたトラブルについて、保険業界に設けられた紛争処理の場(裁定審査会)で解決場合は、募集を行った銀行にも参加を義務づけることなどが検討されているが、継続的に消費者の苦情や相談窓口となると同時に、銀行も保険業界拘束する、消費者のための横断的な紛争処理解決のための機関を設けるべきである。
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