2002日消連第5号
2002年5月2日

厚生労働省
厚生労働大臣 坂口 力殿
国税庁
長官 尾原 榮夫殿

東京都目黒区目黒本町1-10-16
日 本 消 費 者 連 盟
代表運営委員 富山 洋子

薬用酒の添付文書における
未成年者に関する記載事項について

 薬用酒の添付文書に、養命酒では「成人(15才以上)」「8-15才未満」、薬寿では「成人(15歳以上)」「小児(8-14歳)」についての飲用量と1日服用回数を記載しています。
 滋養強壮薬(薬用酒)と書いてあっても、アルコール分14%で、8-15歳の場合1日1回10mlを3回(30ml)では純アルコールで比較すると、日本酒(アルコール分16%)の26mlに相当します。
 しかも、<用法及び用量に関連する注意>において、用法及び用量を厳守すること、小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用(以上養命酒)とか、1日2回あるいは1日3回、食前または就寝前に服用(以上薬寿)とかの説明の記載があります。
 これは、薬事法上これらの薬用酒が、アルコール含有医薬品として医薬品の取り扱いを受け、小児の用法・用量の承認を受けているための結果の表示です。
 ところで、国税庁告示「未成年者の飲酒防止に関する表示基準を定める件」においては、酒類の容器又は包装に対する表示として「未成年者の飲酒は法律で禁じられています」「飲酒は20歳になってから」等の事項を表示することとなっています。しかし、「調味料として用いられること、又は薬用であることが明らかであるもの」については、表示を省略しても差し支えないこととなっています。
 未成年者への飲酒が禁止されたのは、未成年者をとりまく社会環境の変化により、未成年者が飲酒する機会が増え、低年層への拡散も予測されるところから、飲酒による弊害をとり除き、未成年者の健全育成のためにとられた措置であったと理解しています。
 医薬品は一般的に、用法・用量を厳守することが注意事項となっており、服用者も、常用することで効果を期待するものです。
小児の場合といえども、大人が服用させるには、強壮剤としての期待あってのことであって、毎日2-3回の服用を守らせることになります。この場合、アルコール分は日本酒にして26ml相当の常用となります。現に、疲労回復のために常用している受験生がいるとも聞いています。この場合15歳以上の成人の分量ですと、アルコール分は日本酒52ml、ビール(アルコール分4.5%)200mlに相当します。
 以上述べたことに基づき、次の質問をいたしますので、きたる5月20日までにご回答ください。

1,薬事法において、薬用酒をアルコール含有医薬品として承認するについて、小児の用法・用量、未成年者の服用を承認していることは、未成年者の飲酒防止を求める規制とあきらかに矛盾をきたしています。
 アルコール含有医薬品は、「未成年者は服用しないこと」で承認すべきだと考えますが、どうか。
 または未成年者用の薬用強壮剤にはアルコール分を含有しないことで承認することはどうか。

2,「未成年者の飲酒防止に関する表示基準を定める件」における「薬用であることがあきらかであるもの」についての表示免除は削除することについてはどうか。
 酒税法の適用を受け、酒税を課されている「リキュール類」に分類されているものを、薬用酒ということによって表示免除されていることは、未成年者の飲酒防止の目的からはずれた措置ではないか。

3,いま、消費者はアルコール飲用の社会的増加の中、未成年者のアルコール飲用について、多大な関心をもっています。
 未成年者であるが故にアルコール常用の弊害は大きく、アルコール常用、ひいては中毒の引き金ともなりかねません。家庭における常用薬としてアルコール含有医療品が未成年者向けに承認されていることに、当連盟は納得できません。
 未成年者への飲酒防止の社会的要求と規制の原点に立ち、薬用酒の承認や取り扱いを再検討されることについてはどうか。