2002年4月5日
申入書 内閣総理大臣小泉純一郎 殿
「BSE問題への政府の対応について」
日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子本日、参議院本会議において、民主、共産、社民、自由の各党が提出した「武部勤農林水産大臣に対する問責決議案」が、否決されました。またBSE(牛海綿状脳症)問題をきっかけとした、食品の安全を確保する法律制定および新たな行政機構の設置に関して自民党側より今月新たな提案がなされるとの報道があります。これらの動きは食の安全と自給を求める国民の声を無視するものであり消費者保護優先を謳った、「BSE問題調査検討委員会」(農水大臣と厚生労働大臣の私的諮問機関)の報告にも反するものです。以下のように政府に申し入れいたします。
記
1.1986年イギリスでBSE問題が確認されて以来の日本政府の対応は、「BSE問題調査検討委員会」の4月2日の報告にも述べられたように、「重大な失政」であると私たちは考えます。武部大臣は暴言をはいたことや事態対応能力のなさの露呈ばかりではなく、この間の農水省の失政に対する責任を取り、大臣職を辞すべきです。
1.現在の食品安全行政は、上記「BSE問題調査検討委員会」の報告書にも述べられたように、消費者の安全を求める権利を尊重して、抜本的に改善されなければなりません。そのさい、農水族議員と農水省関係部門の既得権益擁護の動きをすべて排除する必要があります。ところが今年に入って、自民党の「食の安全確保に関する特命委員会」が設置され今月にも中間報告を答申、それを受けて小泉総理大臣が今年8月までに新たな食品安全行政を提案し、新たな食品安全の基本的な法案の提案がなされるとの報道もあります。
しかし、私たちは自民党のペースに持ち込むためのこのような足早な動きは、「BSE問題調査検討委員会」の政府批判の部分を風化させ、性懲りもなく族議員と関係省庁の既得権保持・拡大を図り、食の安全と自給を求める国民の権利をないがしろにするものとなるのではないかと危惧いたします。今後の新たな食品安全行政の確立にあたっては抵抗勢力を排し、広く国民の意見を聞き消費者重視の政策と法制度を確立することを求めます。
1.食の安全を確立するためには、危険の量的評価と危険の管理といった事後的で技術的な制度(リスクアナリシス)を確立する以前に、予防原則に基づいた、環境に配慮した安全な食の生産体制、生産者と消費者の信頼関係を築くことこそが重要だと考えます。そのためには、有畜複合農業など有機農業を中心とする、風土に根ざした食の生産と食生活のあり方を基本とすべきです。今こそ食の安全と自給は表裏一体のものであることを認識した、食料・農業政策を行うことが必要です。
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日本消費者連盟 山浦康明
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