2004日消連第49号
2004年12月17日厚生労働省医薬食品局
食品安全部基準審査課
新開発食品保健対策室 御中〒162-0042 東京都新宿区早稲田町75
日本消費者連盟
代表運営委員 富山 洋子
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「「健康食品」に係る今後の制度のあり方について(提言)」の実施についての意見 現在、医薬品か食品か区別の困難な「健康食品」による健康被害、消費者被害が多発している。法上は医薬品は薬事法、食品は食品衛生法、健康増進法による規制による効果が期待されているが、薬事法違反の効能効果を謳った「健康食品」が横行し、違法表示が氾濫している。
今回の「『健康食品』に係る制度のあり方に関する検討会」においては、問題解決のために、食品と医薬品・医薬部外品の区分を見直し、薬理効果のある成分を含有する「健康食品」には、医薬品・医薬部外品に準じた個別許可制度に取り込むことを目指したものとも受け取られるが、今回の「実施のための具体策についての意見募集」に見られる整理では、薬事法の単なる規制緩和にとどまり、医薬品と食品の区分をより不明確にするものであり賛成できない。以下、具体策について述べる。(1)「「健康食品」に係る今後の制度のあり方について(提言)」の実施について
1.表示内容の充実−特定保健用食品制度の見直し−
(意見)
現行の特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を従来の審査要件を緩和することなく特定保健用食品として許可し、「条件付き特定保健用食品(仮称)」を認めることに反対である。また、許可を受けていない食品については、一切の効能表示・広告を禁止すべきである。また規制は表示、広告のみでなく、商品の名称も対象とするべきである。@科学的根拠について
・現行の特定保健用食品に比べ、@作用機序、A有効性を確認する試験の方法、の2方向から審査基準を緩和し、条件付き特定保健用食品(仮称)とすることに反対する。許可を受けていない食品については、一切の効能表示・広告を禁止すべきである。
(理由)
一定の薬効を持った成分は、特定保健用食品等の許可制度に取り込み、「薬効をうたわない限り食品に含んでも良い成分」リスト(食品用医薬品成分リスト)を廃止する。健康食品メーカーは、医薬品限定成分リストと食品用医薬品成分リストのどちらにも掲載されていない成分の薬理作用を発見し、ホームページで論文を掲載している例も存在するが、効果が検証されているとは言えない。
一定の薬理作用、生理調整作用等、身体に何らかの影響を及ぼす成分を抽出して食品に利用する場合は、すべて事前にその効果及び安全性を証明させ、個別に許可する医薬品・医薬部外品に準じた規制をするべきである。その場合、許可に必要な試験データ、評価方法等も明確にすべきである。現在、残留農薬基準がないために野放しになっている物(添付@)健康食品の効能がないのみならず、重篤な副作用の発生が問題になっている物もある。(添付A)。現在の許可基準を緩和する理由はない。A表示について
・許可表示は「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、△△に適していることが示唆されている食品です。」とすることは反対である。
(理由)
EBMが確立されてないものについて、効果を示唆するというのは安全性、有効性の面から、責任ある態度とは到底いえない。もし表示するのであれば根拠が確立していないことのみを書くべきである。
・許可マークは現行と同じ図柄を用い、文字にて「条件付き特定保健用食品(仮称)」と表示させることには反対である。
(理由)
同じ図柄を使うことにより誤認、混同を生じさせることになるような表示を許すべきではない。
B特定保健用食品としての許可実績が十分である等科学的根拠が蓄積されており、事務局審査が可能な食品について規格基準を定め、審議会の個別審査なく許可する【規格基準型特定保健用食品】とすることには反対である。
(理由)
規格基準型では、許可を実質的に届出制へと緩和されるおそれがある。多種多様な健康食品について、情報の蓄積は未だ十分とは言い難い。条件付き特定保健用食品そのものに反対するが、それすら事務局の形式的審査で認めるとなればなし崩し的な緩和となり、安全性有効性の面で疑問である。有効性、安全性について事務局で判断できないものについては、通常の個別審査を行うという基準も不明確であり賛成できない。
@関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合、特定保健用食品の許可において表示を認める【疾病リスク低減表示】については、関与成分の疾病リスク低減効果を十分に示すことのほか、以下のような事項について、データを付した説明が必要である。
(理由)
国際的または国内において、複数の疫学的研究やコクランデータベースに収載されている等、複数の疫学的研究をメタアナリシスした論文があることのみでは不十分である。評価に値するものもあるが、具体的な個別データの存在は不可欠である。その場合も従来の個別審査を基本とし、特定保健用食品の枠組みで行うべきである。A日本国民の疾病の罹患状況等に照らして、当該疾病リスクについての注意喚起は必要である。むしろそれに基づいて、正しい食生活を推奨することこそ必要である。特定保健用食品の考え方は、当該許可食品を通じた関与成分の積極的な摂取が健康の保持増進に寄与するというものであるが、正しい食生活の普及にこそ力を入れるべきである。
(理由)
国民が健康でバランスのとれた食生活を送るための教育こそ必要である。「健康食品」は、国民の健康づくりに有効に機能しているとは言い難い。「健康食品」を利用する消費者は、アンバランスな食生活のゆがみを「健康食品」で補おうとしている傾向があり、いっそう食生活のアンバランスを促進する結果となっている。また高齢者は、年齢から来る足腰の痛みや排尿障害などを「健康食品」によって改善しようとする傾向があり、効果も不明でかつ高価な「健康食品」を買わされている事例が多数見受けられる。
こうした現状を改善するには、バランスのとれた食品を適量食べ、適度の運動とストレスのない生活を送れるような、社会システムこそ必要である。「健康食品」問題だけでなく、働き方の見直し、学校教育の拡充、啓発などが緊急の課題である。2.表示の適正化−特定保健用食品・栄養機能食品における表示規制の強化−
栄養機能食品制度の悪用を防ぐため、定義規定の見直し及び表示禁止規定の創設を行う。
消費者が、本来「栄養機能食品」と表示できない物質についての栄養機能食品であるかのように誤認するような表示を禁止することは早急に実施すべきである。
「現行では8栄養成分についての様々な表示が氾濫している点が問題視されたものの、これらについては国民栄養調査の摂取量調査が行われていない等の理由により、科学的根拠に基づく規格基準の設定が不可能である。従って、今回は規格基準の作成は見送り、様々な表示が氾濫しているという問題点については、消費者への適正な情報提供を進めるため、(独)国立健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性データベース」を活用していくこととする。」という点については反対する。
(理由)
市場にあふれている悪用を放置している現状は、栄養機能表示制度の根幹を揺るがしている。消費者への適正な情報提供を進めるためには栄養機能食品の制度は見直し、特定保健用食品のみ認めることが望ましい。(2)錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方について
意見
錠剤、カプセル状等の形状の食品(以下「錠剤、カプセル状等食品」という。)について製造工程管理による製品の品質の確保を図ることは当然である。医薬品並のGMP(適正製造規範)により製造管理を行うことは必要である。
しかし、その前に、特定保健用食品と医薬品の区別を明確にするべきである。特定保健用食品については、錠剤、カプセルが長らく承認されなかった経緯を踏まえ、錠剤、カプセル形態はより厳格な基準を設けることが必要である。事業者の自主性だけでなく、医薬分離の原則については監督官庁の関与が必要である。(3)錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン
意見
「食品衛生法第3条において、食品等事業者は安全な食品等を供給するために必要な衛生管理が求められている。特に、錠剤、カプセル状等の形状の食品については、原材料の中に天然に微量に含まれる毒性物質も濃縮されているおそれがあり、過剰摂取等による健康被害の発生を防止する観点から、その安全性確保についてはより一層の注意が必要である。」との点については賛成であるが、医薬品以外は特定保健用食品とし、審査制を維持した上で、違反事例については罰則を含めた規則にて規制することが必要である。
(理由)
提言にあるように、食経験のみによって安全性を担保できない食品もあり、特に、錠剤、カプセル状等食品については過剰摂取の可能性があるため、食経験のみによって人の健康を害するおそれがないとは言えない。事業者にガイドラインで自主点検を課すのではなく、基本的な安全性の審査を厳格にした上で、表示も適正にした上で、違反事例については罰則適用を行うことが適当である。事業者自らが、当該食品の原材料の製造方法の適否や販売の可否等を判断するために一定の安全性点検を実施できることは市販後の品質管理としては当然のことであり、あえて自主点検フローチャートを作る必要性については疑問である。以上