日消連第36号
2004年10月28日

公正取引委員会
委員長 竹島 一彦 様

東京都新宿区早稲田町75日研ビル2階
日本消費者連盟
代表運営委員 富山 洋子

申告書

 下記の者は不当景品類及び不当表示防止法第6条第1項に違反すると思料しますので、独占禁止法45条に基づき申告します。早急に調査の上厳重な処分を求めます。

一 被申告者
住所  電話 略
名称  株式会社 塩野

二 申告の趣旨

三 申告にかかる事実
 漬け物は日本人にとって、日常食卓にあがる極めて馴染みの深いものである。特に大根を加工した漬け物が最も多く食されている。
 加工品の原産地については消費者が商品を選択する際にその品質を識別することが特に必要と認められる品目については2000年六月に施行されたJAS法に基づき品質表示基準が制定されている。原産国については不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法)に基づく「商品の原産国に関する不当な表示」に規定されているとおり、「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」を指す。漬け物については梅干し、らっきょう漬けは2001年10月1日から、その他の農産物漬け物は2002年4月1日から原産地表示が義務づけられている。
大根の漬け物は最終加工するために塩蔵大根とすることが通例である。塩蔵大根に特定した国内生産量についての統計はないが、2002年の統計によれば大根を含む塩蔵野菜の国内生産量は166,996トンとされている。また、2003年1月から12月までの財務省の「輸入通関統計」によれば、大根を含む「その他の塩蔵野菜」の輸入量は85,036トンとされておりうち中国から82,135トンとされている。(資料1)
 業界関係者によれば、日本における塩漬大根の年間生産量は約12万トンで、うち輸入量は5〜6万トンとされている。国内で1000トン前後製造している大根漬け物業者は14から15社であり、九州には4,5社あり、九州地方の輸入港は門司港、志布志港と特定されている。塩野は東京港、横浜港である。
 現在日本では、通年大根漬け物が供給されている。国内生産量、輸入量から推測すると、半数は中国産である可能性が高いが、通常店頭での表示を見ると、国産との表示がほとんどである。近時、中国産はSARS発生以来極めて人気が下がり、値段も下がっているが、中国産表示をすれば赤字となるために、中国産を国産と表示している例が多数あると思われる。
 日本産の大根の新漬けは10月末から11月頃に市場に出されるので、新漬けを食べれば国産品と感じる人がいる可能性はあるが、中国では日本の大根の種子を使った生産がされているために外形上も味も一般消費者には区別がつきがたい。。
漬け物の原産地表示については、JAS塩蔵大根の輸入先は主に三井物産(株)、東海澱粉(株)、丸七商事(株)、住商食品(株)、宝化成(株)、(株)三商、山登交易(株)(資料2)に限定されている。これらの商社から仕入れている製造会社、納入先をたどり、各漬け物業者の納入状況を調べれば外国産(中国産)の塩蔵大根の仕入れ状況が確認できると思われる。これらについては日消連は経済産業省に調査の依頼を行っている。(資料2)

 以上を前提に標記の(株)塩野の表示の問題点に関して述べる。

1 株式会社塩野(以下「塩野」という。)は,住所地に本店を置き,大根漬け物を製造する事業者である。関東圏では最大手の漬け物製造者であり、主に大根を加工した漬け物製造会社である。塩蔵大根を年間約4000トンを仕入れて漬け物に加工していると言われている。うち青首大根1000トンから1300トンは国産品である。白首大根は2500〜2700トンを使用しているが、日本産は700トンから800トンである。従って白首大根を使用した漬け物の約70%を国産と表示している疑いがある。
 市中のスーパーで販売されている塩野の漬け物を見ると「国産」と表示されており、6店舗より購入した塩野製造の20サンプルのうち中国産と表示されたものは2個しかない。9割方国産と表示していることになる。(資料3)

5 塩野の大根漬けは国産表示のものと、中国産表示のものとで値段的には相違がない。例えば、「東京たくわん」(国産表示)は0.6608円/cであり、「たくわん百選」(中国産)0.6707円/cである。むしろ「かつおたくわん」(国産)0,8476円/c、「かつお風味」(中国産)0,9821円/cで中国産の方が割高なものもある。
 他社の製品(生粋の東京たくわん)は1,4285円/c、と比較すると国産製品は割高であるのが通例であり、何故塩のが中国産と国産で同等の値段をつけられるのか疑問である。
 業界筋の情報によれば、1本当たり国産品は200から250円、中国産品は100円前後とされている。
 塩野は中国産を国産とすることで他社製品と比較して割安感を売り物にしている疑いがあり、不正な競争を行っていると考えられる。(資料4)

四 法令の適用