2001日消連第25号
2001年 9月19日

農林水産大臣
武部 勤 殿

東京都目黒区目黒本町1-10-16
日 本 消 費 者 連 盟
代表運営委員 富山 洋子

牛海綿状脳症(BSE)を疑う牛の確認について

 2001年9月10日、貴省は標記の件について記者発表されました。

それによりますと、発見されたのは8月6日、すでに起立不能などの神経症状を提していたが、プリオニクステストが陰性であった(8月15日)ことから狂牛病とは確認されなかったとのことです。

 この時点で、当の牛は通常の病性鑑定対象として、処理されて、加工場で脳も含めた牛の全身から油分を分離し、残りを肉骨粉にする「化学処理」をされたと聞き及んでいます。病性鑑定検査で、脳の組織に空胞を認めたことから(8月24日)、念のため、当該病理組織学的検査用材料を動物衛生研究所に送付(9月6日)、9月10日に陽性の反応を得たと発表されました。

 その後、「牛は焼却処分した」という遠藤副農相の発言は「肉骨粉になっていた」と訂正、しかも頭部は検査のため切り落とされていて、肉骨粉になったのは頭以外の全身だと説明されています。

 日消連は、3月7日付農水大臣宛申し入れで、「国内の狂牛病調査を徹底して行われること、その情報を公開されること」を強く申し入れました。

 さらに7月26日には、同じく大臣に、EU・欧州委員会が狂牛病危険性に関する日本の報告書を作成しながら公にすることができなかったとの報道について、質問しましたが回答はありませんでした。

 今回の狂牛病の牛への対処が遅れたのは牛が起立不能などの神経症状を示していたにもかかわらず、それを狂牛病とは誰も疑わなかった、つまり「日本には狂牛病の牛は出ない」という前提が貴省にあったからではありませんか。

 欧州委員会の報告書が「この日本には狂牛病の牛は出ない」という前提に沿わなかったから、政府は抗議したのではありませんか。

 狂牛病の猛威によって、EUの酪農は大ダメージを受け、200万頭といわれる牛が焼却処分されたといいます。日本の狂牛病が一頭の発見のみで終わると貴省はお考えでしょうか。

 貴省には後手後手の対処が目立ち、狂牛病に全力で立ち向かい予防する姿勢が私たち消費者には残念ながらみえません。また、情報は公開されず、不正確な作為的な報道としか受け取られかねない前述の記者発表の誤りは消費者の信用を失墜するものでしかありません。

今後の貴省の狂牛病対策への全力投入を願ってやみません。

一.1996年以降も、今年1月まで日本に輸入されていた可能性のある肉骨粉飼料の経 路、国内流通、使用範囲を徹底調査すること。

二.ヨーロッパの狂牛病発見は全頭の点検によりました。日本でも徹底した調査を行うこ と、その情報を公開されること。

以上を申し入れます。