2005年日消連第30号
平成17年12月9日
中小企業政策審議会組織連携部会
部会長 清成 忠男 様
住所 〒162-0042 東京都新宿区早稲田町75 日研ビル2階
所属 日本消費者連盟
氏名 代表運営委員  富山 洋子


組織連携部会・議論の整理に対する意見

消費者から見て、不測の事態に対応する保障(補償)は、保険サービスであるとの認識が一般的であり 、現実には保険と共済の区別は明確についていないのが実態です。
共済に関しては特に無認可共済において、近年多数のトラブルがあり、全国の消費生活センターにも苦 情・相談が寄せられてきました。特にマルチ商法の手法により事業拡大をはかる事業者が多数出現して おり、日本消費者連盟でも2004年に複数のマルチ商法の手法による事業者に質問状を出しましたが、「 会員以外には情報は非開示」としており、納得ある回答はありませんでした。 

無認可共済は規模や形態などが多様で実態把握が難しく、関係者の意見集約や消費者ニーズの調査も進 んでいませんでした。保険業は不特定の人々を対象にして、様々な規制の下に行われていますが、共済 事業はもともと特定の集団での相互扶助を目的に始められたものです。完全な自治で行われる共済については、何かあれば参加者が責任を取るという仕組みでもよいと考えますが、外部者も取り込んだ参加人数の多い共済については、他の共済や保険と同様の共済契約者保護の仕組みが必要です。無認可共済については消費者保護の観点から保険業法の改正が行われ、ようやく少額短期保険業者の制度の整備がおこなわれ始めたところです。

今回対象とされている中小企業等協同組合法に基づく中小企業組合については、今年の全国小売酒販組合中央会の運用失敗・横領事件、2003年の佐賀商工共済協同組合の破綻、2002年の四日市商工貯蓄共済組合の破綻等、いずれも数千人から数万人の被害者が出る社会的影響の大きな事件が続いています。多数の組合員を有している場合もあること、共済契約の内容も複雑化していること等により、相互扶助の理念に基づいた自治ガバナンスは機能しにくくなっているといえ、中小企業組合のガバナンス向上、共済契約者保護の仕組みを早急に整備する必要があります。標記の件につき、以下のように意見を述べます。

1.事業協同組合等でおこなわれる共済でも、不特定多数への募集として員外募集が一定程度認められていますが、共済契約者を保護するためには、少なくとも少額短期保険業者におけると同程度の整備が必要です。

2.大人数共済組合については、契約者保護の観点から他の事業のリスクが及ぶことを防ぐため兼業制限をする必要があります。

3.共済契約者保護の観点から、責任準備金、支払準備金等については他の制度と同様の規制を整備し、利益準備金についても積立限度額を引き上げる等検討し、健全性の確保をはかる必要があります。

4.保険料や責任準備金の公正性が専門家によってチェックされるよう、共済計理人(保険数理の専門家)の選任・関与を義務づけ健全性確保をはかるべきです。

5.行政当局の検査・監視の対象とすべきであり、ソルベンシー・マージン基準に基づく早期是正措置も認めるべきです。

6.生命保険商品に類似した高額な掛け金のものにはセーフティネットの整備が必要です。仮にセーフティネットを設けない場合は、保険商品との誤認が起こらないよう十分な情報提供や契約時の確認が必要です。

7.信用組合が共済募集人となった場合、融資先の中小企業に圧力販売が行われる懸念があります。銀行での窓口販売での圧力販売防止措置と同様の規制等が困難であれば、基本的には共済契約者(組合員)とは関係のない第三者には共済の募集ができないようにするべきです。

8.将来的には、共済、保険業とも、金融業全体に含め、参入、情報開示、勧誘・販売ルール、検査・監督などの規定を盛り込んだ金融サービス法を制定すべきです。

9.各省庁で消費者保護のための横断的な取り組みを行うと共に、規制緩和に伴う関連業界にも適切な指導を行う体制を整えるとともに、金融商品全体について消費者への情報提供、消費者教育の充実を求めます。
以上