2005年10月27日
食品安全委員会委員長 寺田雅昭殿 
厚生労働大臣 尾辻秀久 殿
農林水産大臣 岩永峯一 殿
「アメリカ産牛肉はいらない」集会参加者一同

声明文・要請書
「私たちは米国産牛肉の輸入再開に反対します」


 米国産牛肉の輸入再開をめぐって政府諮問に対する答申書を食品安全委員会では10月27日現在も検討しているところである。しかし、10月24日に食品安全委員会・プリオン専門調査会で検討された答申書案「米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉・内臓を摂取する場合と、我が国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性に係る評価(たたき台修正三次案)」の「5 結論」では「日本と米国・カナダの食肉・内臓のリスクを比較した場合、月齢判定による上限を超えない範囲では、そのリスクの差は極めて小さい」との叙述が見られる。同答申書案には「6 結論への付帯意見」も記され、複数の委員からは慎重な対応を求める見解も提出されている。
 私たちは以下の理由から、こうしたリスク評価の現状と日本政府の国民の食の安全を軽視する姿勢を危惧している。食品安全委員会は政治的スケジュールに沿って安易に「日米のBSEリスクの差がない」などと拙速に評価すべきではない。また今後、リスク管理機関たる、厚生労働省と農林水産省は、米国産牛肉・内臓を米国政府の圧力に屈して拙速に輸入することのないよう要請する。
1. 米国のBSE対策を日本の食品安全委員会が評価する際には、米国での対策の実効性が得られていればとの仮定のもとで検討したにすぎず、不十分な評価にとどまる。米国での法令遵守を担保する責任主体も不明確である。

2.米国の日本向け輸出プログラムに沿った上乗せ基準、枝肉の格付けなどによる20ヶ月齢以下の判定方法についても実効性の確保は疑問である。

3.たたき台修正三次案でも、米国での飼料規制の甘さが指摘されている。SRMの除去は不徹底であり、牛の肉骨粉の製造は続けられており、代用乳・人工乳の製造過程で牛の血粉、油脂類などを使用する可能性も高い。交差汚染の可能性は高いと言える。

4.BSE検査についても日本の全頭での検査に比べ米国の検査は質・量ともに劣る。今後検査を強化すれば米国でのBSE感染牛の摘発も増えるとの指摘を同たたき台も指摘している。米国の生体牛のリスクは日本よりも高いと言える。

5.米国の牛肉・内臓のBSEプリオン汚染リスクについても、実効性の確保が保証されなければ日本と米国は同等ではない。

6.本たたき台修正三次案「6 結論への付帯意見」を尊重すれば、本答申書の結論は「リスクの差は極めて小さい」ではなく「評価不能」とするのが論理的な帰結である。

7.日本政府としても、日本向けの上乗せ基準に沿った牛肉・内臓のみならず、米国、カナダのBSE対策全体を評価し、BSE問題の国際的解決のために、日本の対策を世界各国に示していく気概をもってこの問題に取り組む必要がある。
以上
「声明文」賛同者、賛同団体(順不同):日本消費者連盟、全日本農民組合連合会、全国乳価共闘会議、全日本開拓者連盟、北海道農民連盟、食の安全・監視市民委員会、フォーラム平和・人権・環境、ふーどアクション21(食の自給と安全の全国行動)、食の安全と農の自立をめざす全国連絡会(食農ネット)、主婦連合会、東京都地域消費者団体連絡会、10月27日集会参加者