平成18年10月2日

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
代表運営委員 富山洋子様

三洋電機株式会社
パワーグループ
モバイルエナジーカンパニー
社長 伊藤正人

「ニカド電池の製造・販売に関する公開質問状」への御回答

 拝啓、貴NPO法人ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
過日、弊社社長 井植宛にいただきました、表記の質問状に対しまして、電池事業を担当しております私、伊藤よりご回答いたします。


1.貴社は、EUへのニカド電池輸出対応はどのようになされているか。

EU域内において、電池に対しては、特定の指令であります電池指令(91/157/EEC、93/86/EC、及び98/101/EC)が優先して適用される為、RoHS指令は、適用されません。従いまして、EUへのニカド電池の輸出対応は、この電池指令に基づき各EUメンバー国が制定した法律に則り対応を行っており、RoHS指令発効後も他社様の鉛電池同様、弊社のニカド電池も従来どおりEUへの輸出を継続しております。

本電池指令は、水銀、カドミウム及び鉛を規定値以上含有する電池に関しましては、電池生産者に対し、リサイクルマークの表示と取り外し容易化設計の義務を、また、EUメンバー国に対しては、回収とリサイクルのスキームを構築する事を義務づけております。

2.輸出用と国内販売用のニカド電池のカドミウム含有率は同じかどうか。

カドミウムは、ニカド電池のマイナス極を構成する材料として使用されています。電池に必要とされる特性を最大限に発揮させる為、ニカド電池の機種やサイズによってカドミウムの含有率は、一定の範囲内で変化しますが、輸出用と国内販売用で含有率を変化させる事はありません。

3.ニカド電池の回収・リサイクル率は2005年度の目標に達していない。環境汚染は続いているが、いまもニカド電池の製造を中止するお考えはないか。

ニカド電池を含む充電式電池の回収率に関しましては、電池工業会より、主に以下の理由により、信頼性のある回収率は、算出できない旨、経済産業省に報告し、ご理解をいただき、(産業構造審議会にて)ご承認をいただいております。

(1)充電式電池は、機器と共に家庭内で廃棄されずに保管されており、正確な家庭内からの排出時期が、把握不可能。

(2)充電式電池は、高価なコバルトやニッケルを多量に含有しており、廃電池も相当な量が有価物として市場で取引されていると推察され、実態が把握できない。

従いまして、現在、ニカド電池を含む小形二次電池の回収・リサイクルを管理しております「有限責任中間法人 JBRC」からは、ニカド電池の回収量の報告のみでございます。ニカド電池の回収量は、業界のたゆまぬ努力により年々増加を続けております。

一方、ニカド電池のリサイクル率(再資源化率)は、JBRCからの報告によりますと2003年:73%、2004年:74%、2005年:73%と、法定目標値であります60%を達成できております。

一方、弊社は、今後とも以下の努力を行って参ります。
(1)ニカド電池の回収量向上に関する努力
日本におきましては、国の3R政策に則って制定された「資源有効利用促進法」に基づき、小形二次電池の回収・リサイクル団体「有限責任中間法人 JBRC]を通じ、その幹事会社の1社として、使用済み小形二次電池の回収・リサイクルを強力に推進して参ります。

(2)代替電池の開発促進
ニカド電池は、耐過充電特性、大電流放電特性、堅牢さ・信頼性の高さと言った特徴を有しており、医療分野、非常用設備のバックアップ電源など、他の電池では代替できない市場を持っておりますので、顧客への供給責任を果たすため、ニカド電池の生産を継続いたします。
しかしながら、ニカド電池から他の電池への代替を求める顧客の声に応えるためにも、弊社では、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池及びリチウムポリマー電池と言った各種電池の研究を継続し、ニカド電池を代替できる電池を開発してまいります。

以上、弊社の方針、取り組みに対し、ご理解の程お願いいたします。

敬具